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水田コレクションより

菊川英山(1787〜1867) 「風流狐けん」
 きくかわえいざん 「ふうりゅうきつねけん」
 文化(1804〜18)頃 大判錦絵3枚続 版元=山田屋庄次郎  

 
狐拳は、狐(中)、庄屋(左)、鉄砲(右)のポーズをとってするジャンケンの一種。負けると罰として酒を飲まされた。
本図は狐拳をする芸者三人が描かれる。座敷の向こうも歌えや踊れと宴たけなわな様が影法師で表現される。面長な顔に大きめの鼻、まつげの多い狐目のはっきりした顔立ちは、英山美人の特徴。同版元から「風流酒戯三美人」文化11年(1814)が版行されており、本図はこれに着物の柄など一部変更を加えた作である。また別の版元から文政年間に版行された同図柄の作品も知られる。
菊川英山は、歌麿らに比べ評価が低いが、化政期に歌川派と葛飾派が隆盛する中、歌麿風から次第に一種人形のような美人画を描いた浮世絵中興の祖。