HOME>水田コレクションより > Vol.22 池田蕉園・池田輝方

水田コレクションより

池田蕉園(1886〜1917)「桜下美人図」 (右)
池田輝方(1883〜1921)「若衆紅葉狩図」

 いけだしょうえん 「おうかびじんず」 いけだてるかた 「わかしゅうもみじがりず」
 絹本着色 双幅 明治44年(1911)  


   
左幅に紅の紅葉の下に佇む若衆髷の青年、右幅にしだれ桜の下にしゃがみこみ、振り返って仰ぎ見る娘を描いた「春秋」の双幅。娘の草花を手でもむしぐさや、若衆の手の表情に、恥じらいつつも期待にふくらむ恋人の心情がにじむ。
池田輝方、(榊原)蕉園は、水野年方(としかた)門下の兄弟弟子。本作品が制作された明治44年に夫婦となる。師の没後、川合玉堂に師事、鏑木清方らの烏合会に参加、主に文部省美術展覧会(文展)で活躍した。また挿絵や口絵も手がけている。
輝方は芝居や文学を主題とした風俗画を描き、蕉園は夢見るような儚(はかな)げな美人画で人気をはくし、京都の上村松園と並び称されたが、相つぎ30代で夭折した。