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水田コレクションより

伊東深水 「姿見」
 いとう しんすい 「すがたみ」

 
肩をそらし、きっと口を結んで帯を直す女性の後姿。左下にわずかに姿見をのぞかせるという巧みな構図。
帯をおさえる左手と鏡を見つめる真剣な眼差しで、女性の日常的なしぐさを鋭くとらえた、優美で気品ある現代的な美人画である。
作者の伊東深水は、大正から昭和にかけて活躍し、江戸浮世絵の風情を継承しつつ、東西の古典を研究した拡張高い作風の人物画を描いた。