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水田コレクションより

石川豊信 「二代目中村七三郎と佐野川市松」
 いしかわ とよのぶ 「にだいめなかむらしちさぶろうとさのがわいちまつ」

 
侍と若衆が視線を交わす。着物の紋から、侍は二代目中村七三郎、若衆は当時人気の佐野川市松を描いた役者絵とわかる。行灯には、市松とともに中村座に出演中の瀬川菊之丞の紋がみえる。
本図は、錦絵誕生以前の紅摺絵で、墨と紅と草(薄い黄緑色)だけで構成された、色彩の調和、発色ともにたいへん美しい作品。
石川豊信は紅摺絵期を代表する美人画家。ずんぐりした姿態は豊信画の特徴である。