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水田コレクションより

勝川春章 「二代目市川八百蔵の富士左近之助行家(右)、 四代目松本幸四郎の浅間左衛門照政」
 かつかわ しゅんしょう  「にだいめいちかわやおぞうのふじさこんのすけゆきいえ、
 よだいめまつもとこうしろうのあさまざえもんてるまさ」


   
安永2年7月に中村座で上演された『傾城片岡山』に取材した役者絵。無二の親友の二人が、主家や親のしがらみから敵どうしとなり、遂に決闘となった場面。細判双幅の全身像によって、刀を振り上げ見得を切り、にらみ合う緊張の一瞬をとらえた、臨場感あふれる作品である。
勝川春章は安永・天明期(1772〜89)に役者似顔絵の新機軸を出して人気を得、春英、春好と続く勝川派の祖として一世を風靡する。晩年には肉筆画に専心し、美人風俗画の俊作を残した。