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水田コレクションより

鳥居清長 「風俗東之錦 凧の糸」
 とりい きよなが  「ふうぞくあずまのにしき たこのいと」

 
子どもの持つ凧の糸が、娘の足に絡まる。新春の風が激しく吹く往来でのひとこまである。
「風俗東之錦」は、天明3、4年(1783,84)頃の清長最盛期の作品で、代表作の一つ。武家や町屋のさまざまな階層の女性を、四季の風俗とともに描いた20図からなる揃物で、本図はそのうちの1枚である。鳥居清長(1752〜1815)は八頭身の美人画を完成させた、天明期を代表する絵師。
本図の女性のプロポーション、衣装の繊細な模様、巧みな色の配置には、洗練された清長美人画の特徴がよく現れている。