城西国際大学
水田美術館

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JIU開学10周年記念

漢代画像石拓本展

会期=2001年7月9日[月]―28日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
内容=
今から約2000年前、中国の後漢(25〜220年)の時代に、地方の有力豪族によって、石造の墳墓を造営することが流行しました。死者があの世に逝ってからも、生きている時と同じ生活ができるよう、地上の建築を地下に持ちこんだような、豪華で広い空間をもつ地下石室(墓)が造られたのです。

画像石とは、そうした石造の墓の壁面・門扉に絵を線刻したものです。石に描かれた(刻まれた)絵は、いわばお墓の装飾であり、墓室内の空間をデザインしていました。

有名な秦の始皇帝陵兵馬俑坑が、現実世界そのものを再現した巨大墳墓であるのに対して、漢代の画像石墓には、墓主の現実生活のみならず、神仙・瑞獣・故事人物など虚構の世界が描かれ、パラダイスのような来世が表現されています。

一般に画像石墓は、山東省に多く出土しており、山東省嘉祥県の武氏祠(朱拓)は古来より有名です。近年、山東省、江蘇省徐州、安徽などでも発掘成果が報告されつつあります。徐州地区は古くから交通と経済の要衝として栄えており、豪族や地方官僚などが多数の画像石墓を遺しました。今回は、日本ではあまり知られていない、徐州周辺の画像石の図像を紹介します。

なお、図像解説は主要なもののみとし、杉原たく哉著・戸祭衛編 『漢代徐州画像石の世界』(まゆ企画、 2001年)によりました。展示品は全て、ギャラリー繭所蔵の拓本です。