城西国際大学
水田美術館

図書館棟
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水田コレクション浮世絵は楽し5 技巧と表現

会期=2004年11月5日[金]―27日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
入館料=一般300円、高校生以下無料
内容=
浮世絵版画は、17世紀後半、菱川師宣が版行した墨摺りの一枚絵から始まりました。やがて墨摺りの主版に手彩色した丹絵や紅絵、主版に紅と草色を摺り重ねた紅摺絵と発展し、明和2年(1765)に、鈴木春信らによって多色摺木版画が開発されます。これは、錦のように美しいことから「錦絵」と呼ばれ、その後も、絵師と版元、職人たちの協力の下、多様な表現の工夫と高度な技巧が駆使されました。

例えば人物の髪の毛一本一本、着物の細かい柄一つ一つを精緻に彫りだす技、「正面摺」による文様を光の加減で浮き出させる技巧、東洲斎写楽の大首絵の背景にみる「雲母摺」など、競って新しい木版表現があみ出されます。そして、北斎や広重が画壇に登場し風景画全盛期を迎えると、「一文字ぼかし」をはじめ、四季や天候、時の移ろいを表現した、高度なぼかしの技術や微妙な色彩の重ね摺りなどが自在になされるようになり、我が国の木版技術は世界でも稀にみる高みに達しました。

このたびの展覧会は、このような彫り、摺りの洗練された技巧と、表現の工夫に注目しました。あわせて復刻版により浮世絵版画の摺りの工程を紹介いたします。300年の伝統を持つ浮世絵版画の高度な技術と制作の秘密をお楽しみ下さい。
関連企画=
◎ 「浮世絵版画の摺り」実演会
日時:11月5日[金] 午後1時〜  午後3時〜
摺師(アダチ版画研究所)による実演
会場:図書館内中央大階段前
*参加無料/要予約

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
日時:11月13日[土]、20日[土] 午後2時〜
図版=
葛飾北斎 《詩哥写真鏡 春道のつらき》、三代目歌川豊国《四代目中村芝翫の時次郎》