城西国際大学
水田美術館

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東金ゆかりの美術

会期=前期 八鶴湖と近世の書画 2005年5月26日[木]―6月18日[土]
     後期 近代の南画家・茂卿と萱原黄丘 6月23日[木]―7月16日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
内容=
東金は、徳川家康の鷹狩の際に造られた御成街道により、江戸時代を通して交通の要衝として栄えました。町は農水産物の集積地として経済的発展をとげ、大商人がパトロンとなって豊かな文化的土壌が育まれました。江戸の大名家旧蔵といわれる狩野派の屏風が、東金の商家に伝来した例などは、中央との往来・文化交流の様相を物語っています。 また幕末の文人・梁川星巌(やながわせいがん)や遠山雲如が、今日でも桜の名所として知られる八鶴湖を訪ね、中国の西湖になぞらえて詩を詠んだことを一つの契機として、文人墨客がこの地を訪れるようになりました。その痕跡は、湖畔の旅館・八鶴館や商家の大店に今なお残されています。

この度の展覧会では、これらの、東金の文化遺産というべき書画を、初めて公開します。前期では、東金御殿伝来とされる杉戸絵や、網元画家・斎藤巻石(さいとうけんせき)の作品などを展示します。また八鶴館に滞在し、星巌の漢詩を書した近代日本画家・松林桂月、「八鶴亭記」を書いた文人安川柳渓などの八鶴湖ゆかりの作品を紹介します。後期には、東金に多くの後援者を持った画家のうち、東金御殿山周辺の風景を描いた茂卿(もきょう)と、関東大震災を描いた絵巻で知られる萱原黄丘(白洞)を取り上げます。

この展覧会が、東金の文化継承、および今後の研究の一助となれば幸いです。
関連企画=
◎ 講演会
日時:6月18日[土] 午後1時30分〜3時
演題:「近世後期の東金周辺と文人たち」
講師:加藤 時男(かとう ときお)氏
会場:図書館棟3階プレゼンテーションホール
*参加無料/要予約
講師プロフィール:
千葉県文書館古文書調査員
1938年東京生まれ
1960年東北大学文学部史学科卒業
千葉県立東金高等学校ほか教諭
共著など:『藤田嗣治書簡―妻とみ宛―』『千葉県史』『茂原の古文書資料集』

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
日時:6月11日[土]、7月2日[土] 午後2時〜
図版=左:茂郷《東金風景》八鶴館蔵
右上より:《鷹図杉戸絵》江戸時代 個人蔵、
田岡春径《月夜疎林》昭和前期 八鶴館蔵、
飯田林斎《東嘉園画巻》より「焙揉」 明治2年(1869 )個人蔵
下:萱原黄丘《東都大震災過眼録》巻2より 大正12年(1923) 個人蔵