城西国際大学
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房総ゆかりの画家 石井林響展 後援団体「総風会」を中心に

会期=2006年10月3日[火]―28日[土] 大学祭期間特別公開 11月4日[土]―6日[月]
開館時間=午前10時〜午後4時
内容=
明治17年(1884)、山辺郡土気本郷町(現千葉市)に生まれた石井林響(りんきょう)(天風(てんぷう))は、明治の終わりに新進気鋭の青年画家として画壇にデビューし、昭和初めにかけて、新しい日本画の創造を目指す活力ある時代の中で活躍した、千葉県を代表する近代日本画家です。

画家を志し上京した林響は、横山大観らの革新的な作品に魅せられ、日本美術院創立の一員である橋本雅邦の門に学びます。美術研精会展などで頭角を現し、巽画会や紅児会に参加して、今村紫紅や安田靫彦ら個性あふれる青年画家とともに研鑽を積みました。「天風」号時代、歴史画で高い評価を得て一定の地位を築いた林響ですが、次第に画壇から距離をおき、「林響」に改号した大正中期以降、色彩豊かな風景画で独自の画境を開いて、第3回帝展に代表作の一つ《総南の旅から》を発表します。その一方で浦上玉堂ら江戸時代の南画や明清画に傾倒し、田園生活を夢みて、ついに大正15年、郷里にほど近い大網宮谷に画房白閑亭を建てて移り住みます。この頃より南画を取り入れ、第8回帝展に《野趣二題》を発表し新たな画風展開をみせますが、昭和5年、45歳の若さで惜しまれつつ生涯を閉じました。

このたびの展覧会は、地元で結成された後援会「総風会」に焦点をあて、林響と行き来のあった後援者や親類縁者の家に伝えられた作品を中心に、林響の画業を回顧します。大きく画風を変化させ、各時代に新鮮な輝きをみせた林響の軌跡とともに、林響を支えた文化的土壌を紹介する機会となれば幸いです。
関連企画=
◎ 講演会
日時:10月14日[土]
演題:「大正期の新しい日本画」
講師:佐藤 道信(さとう どうしん)氏
会場:図書館棟3階プレゼンテーションホール
*参加無料/要予約
講師プロフィール:
東京芸術大学助教授
1956年秋田県生まれ
1981年東北大学大学院修士課程修了
主著:『〈日本美術〉誕生―近代日本の「ことば」と戦略』『明治国家と近代美術―美の政治学』

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
日時:10月7日[土]、28日[土] 午後2時〜
図版=
《高砂》部分 大正11年(1922)、個人蔵
展覧会図録=
詳しくは美術館刊行物をご覧ください。