城西国際大学
水田美術館

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酒井亜人展 日本画壇のモダニスト

会期=2008年11月1日[土]―11月29日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
内容=
千葉県山武郡大網白里町に生まれた酒井亜人(1904〜65)は、院展(再興日本美術院展)をおもな発表の場として活躍し、画壇の革命児として注目を集めた日本画家です。青年時代を東金で過ごし、上京後も東金にいる親族の温かい支援に助けられながら大成しました。

近郷の土気に住む南画家・萱原黄丘に絵の手ほどきを受けた亜人は、画家を志し、昭和3(1928)年頃、23、4歳の時に上京、後の院展画家、岩橋英遠、同郷の島田良祐ら画家仲間に囲まれ、働きながら独学で絵を勉強します。昭和5年、新興大和絵会展で画壇にデビューし、青龍社展、新美術人協会展に出品、昭和12年には《冬》で院展初入選をはたします。西洋の前衛芸術を果敢に取り入れて、対象を単純化して再構成する試みを重ね、幻想的な風景画や大胆な構図の人物群像を次々に発表していきます。こうした日本画に新生面を開こうという努力は戦後実を結び、昭和27年、《晩秋》で日本美術院賞・大観賞を受賞し、片岡球子と並んで新進気鋭の新人として高い評価を受けました。田畑の広がる山間や木々の重なりを、幾何学的な色面構成で表現した亜人の風景画は、独特の渋みのある色合いとともに異彩を放ち、院展に新風を与えたといいます。

「亜細亜の画人」たらんと「亜人」と号した青年は、生涯を絵画研究に捧げ、日本画の枠におさまらない斬新な作品を生み出しました。その「モダン」な作品は今なお輝きを失っていません。

このたびの展覧会では、初入選作から最晩年にいたるまでの作品を展示し、東金にゆかりの深い亜人の画業をご紹介します。
関連企画=
◎ 講演会
日時:11月22日[土] 午後1時30分〜3時
演題:「酒井亜人 人と作品」
講師:米田 耕司(よねだ こうじ)氏(長崎県美術館館長) 
会場:図書館棟3階プレゼンテーションホール
*参加無料/要予約
講師プロフィール:
1945年大阪市に生まれる。
1970年國學院大學文学部史学科卒業。
1971年千葉県教育庁文化課主事、78年千葉県立美術館学芸員、以後も、千葉県の教育庁で博物館行政を担当、美術館博物館の現場で学芸員として活動。2003年千葉県立美術館館長。2007年長崎県美術館館長、および長崎ミュージアム振興財団常務理事となり現在に至る。
主著:
『昭和の美術 日本画・洋画・彫刻・工芸』3・5巻、共著、毎日新聞社、1990年
『だれもが楽しめるユニバーサル・ミュージアム』国立民族学博物館監修、共著、読書工房、2007年

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
日時:11月8日[土]、15日[土] 午後2時〜
図版=
歌川国政《三代目《北多摩の山》 昭和26(1951)年、個人蔵市川八百蔵の梅王丸》大判錦絵、寛政8(1796)年
ポスター制作=
メディア学部メディア情報学科3年 川原美波
展覧会図録=
詳しくは美術館刊行物をご覧ください。