城西国際大学
水田美術館

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旅の版画家 川瀬巴水−大正・昭和の懐かしい風景−

会期=前期 2010年5月25日[火]―6月12日[土]  後期 6月15日[火]―7月3日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
入館料=一般300円、高校生以下無料
内容=
川瀬巴水(はすい、1883〜1957)は、全国津々浦々を旅し、行く先々で出会った何気ない風景を、季節や時間の移り変わり、人々の営みを織り込んで描いた大正・昭和を代表する風景版画家です。

巴水は、明治16年、東京市芝区(現港区新橋)に生まれ、洋画を学んだ後、27歳で鏑木清方(かぶらぎきよかた)に入門します。同門の伊東深水の木版画作品に感銘を受けた巴水は、大正7年(1918)、版元・渡辺庄三郎より処女作を出版し、版画家として出発しました。

渡辺庄三郎は、版元と画家、彫師、摺師の分業による浮世絵以来の伝統的木版技術を復興し、芸術性の高い「新版画」を提唱して、木版画の地位向上と普及に努めた版元です。二人は、彫・摺の職人と試行錯誤をくり返し、同じ色を何度も重ねることによる深みや、色鉛筆で描いたような線、摺り跡を残すザラ摺など、新しい表現技法を開拓して、木版画の可能性を広げていきます。こうして、巴水は40年余りにわたり600点をこえる作品を発表し、渡辺庄三郎とともに新版画の興隆に大きな役割を果たしました。

このたびの展覧会では、代表作を前期、後期に分けて展示し巴水の画業を紹介します。小特集として、関東大震災を境にした作風変化、雪景、雨景の多様な表現を比較展示し、また、千葉に取材した作品15点に焦点をあて、スケッチや原画、試摺などの関連資料とともに展示し、写生旅行から版画作品となるまでの過程にも注目します。

木版画独特の美と、「旅情詩人」と称された巴水による、古き良き日本の風景をご鑑賞ください。
関連企画=
◎ 講演会
日時:6月19日[土] 午後1時30分〜3時
演題:「近代日本版画の潮流と渡辺版画店」
講師:渡邊 章一郎(わたなべ しょういちろう)氏(株式会社渡邊木版美術画舗代表取締役)
会場:図書館3階プレゼンテーションホール
*聴講無料/要予約

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
日時:6月5日[土]、26日[土] 午後2時〜
図版=
《房州浜萩(荻)多聞寺》部分、木版多色、36.3×24.1cm 昭和9年(1934)、渡邊木版美術画舗
ポスター制作=
メディア学部メディア情報学科4年 窪田知昭
展覧会図録=
詳しくは美術館刊行物をご覧ください。