城西国際大学
水田美術館

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水田コレクション展 浮世絵の判型

会期=2013年5月7日[火]―25日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
入館料=一般300円、高校生以下無料
内容=
現在でも用紙にはA4、B5などの規格サイズがあり、用途によって使い分けられているように、浮世絵版画も様々な判型の用紙に摺られました。初期浮世絵では用紙も判型もまちまちでしたが、明和期(1764〜72)に錦絵が誕生して量産されるようになると、重ね摺りにも耐えられる奉書紙が一般的となり、判型も定まります。最も多く摺られたのは大奉書を半分に裁った大判で、中判、細判といった小さな判型も、比較的安く購入できると喜ばれました。柱絵判や長大判など縦長の変型判は、しばしば掛軸装にされ、肉筆画に手の届かない庶民が壁掛けの絵として楽しんだといわれています。また錦絵を縦、あるいは横に複数つなげた「続物」が登場し、大画面によるダイナミックな構図が可能となりました。続物の出現は、表現の幅を広げただけでなく、一度に2枚、3枚とセットで購入されることによる、売り上げ倍増を狙った版元の戦略であったことも見逃せません。

この度の展覧会では、バリエーション豊かな判型と続物の作品を紹介し、小特集として、歌川広重が描いた房総の名所を、大判と中判とで比較しながらご覧いただきます。判型を切り口に、浮世絵版画の創意工夫をお楽しみください。
関連企画=
◎ 講演会 5月18日[土] 13時30分〜15時
演題:広重描く富士山―《不二三十六景》を中心に―
講師:折井貴恵氏(川越市立美術館学芸員)
場所:図書館棟3Fプレゼンテーションホール
*聴講無料/要予約

◎ ギャラリートーク
日時:5月11日[土]、25日[土] 午後1時30分〜
図版=
(左より)
礒田湖龍斎《明烏》柱絵判錦絵、安永(1772〜81)初頃
勝川春好《二代目坂東三津五郎の白酒売》部分、細判錦絵、安永8年(1779)、
歌川広重《冨士三十六景 上総鹿楚(野)山》大判錦絵揃物、安政5年(1858)、
歌川広重《不二三十六景 上総鹿楚(野)山鳥居崎》中判錦絵揃物、嘉永5年(1852)、以上、当館蔵
ポスター制作=
メディア学部メディア情報学科3年 鈴木亜莉寿