城西国際大学
水田美術館

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病に負けるな! 浮世絵にみる流行り病とくすり

会期=2013年6月18日[火]―7月13日[土]
開館時間=午前10時〜午後4時
入館料=一般300円、高校生以下無料
内容=
現在ほど医学が進んでいない江戸時代、あばたが残ることから「見目定め(みめさだめ)」といわれた疱瘡(ほうそう、天然痘)、「命定め」といわれた麻疹(はしか)、高い致死率のコレラなど、流行り病が人々を苦しめました。医者やくすりによる治療だけでなく、疫病神やまじないといった民間信仰や、食べ物の良し悪しなどの養生法が盛んにおこなわれ、それらを説いた浮世絵が数多く出版されました。

また、この時代、本草学(ほんぞうがく)の普及にともない、各地でくすりが生産され、流通経済圏の拡大によって薬業が大いに繁栄します。都市や街道に並ぶくすり屋や、行李を背負った行商人が訪問する配置売薬により、くすりは身近なものになりました。そして、くすり屋は販売促進のため、目を引く看板を掲げ、役者に芝居中で宣伝させたり、引札を配ったりと、独自の広告戦略を展開しました。

このたびの展覧会では、実用的、かつユーモアや風刺に富んだ流行り病の浮世絵を中心に、錦絵広告や引札、東金のくすり屋・大野伝兵衛の宣伝用の団扇(うちわ)など、多彩なくすり広告を展示します。あわせて、当時のくすり屋の様子を再現し、本草書や製薬道具、配置売薬、薬袋など、くすりの製造・販売に関する資料を紹介します。江戸時代の病に対する考え方を知るとともに、今も昔も変わらない健康への切なる願いを感じていただければ幸いです。
関連企画=
◎ 講演会
日時:7月5日[金]午後1時20分〜2時50分
演題:錦絵は語る 江戸の感染症と医療
講師:伊藤 恭子氏(内藤記念くすり博物館学芸員・司書)
場所:図書館棟3Fプレゼンテーションホール
*聴講無料、要予約

◎ ギャラリートーク
日時:6月22日[土]、29日[土] 午後1時30分〜
図版=
右上より、看板《鎮痛液 如勝堂薬房》/薬袋《小児かんりやうゑん 吉田茂樹製》部分、ともに城西国際大学薬学部蔵/歌川芳虎《薬と病退治の図》部分、大判錦絵三枚続、弘化4〜嘉永5年(1847〜52)、内藤記念くすり博物館蔵
ポスター制作=
メディア学部メディア情報学科4年 長田和王