城西国際大学
水田美術館

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浮世絵でたどる房総の旅

会期=6月10日[火]―7月5日[土]*日・月休
開館時間=午前10時〜午後4時
入館料=一般300円、高校生以下無料
内容=
かつての旅は、伊勢参りに代表されるように、寺社参詣を目的としつつ、道中の名所や旧跡を存分に見てまわるというものでした。江戸後期、庶民の間で旅が流行すると、遠方まで行けない人々にとって、江戸から近く、成田山新勝寺をはじめ有名な寺社や名勝に恵まれた房総は、格好の観光地となります。舟で入っていく川と海に囲まれた地形も、日常を離れる旅の気分を盛り上げました。

成田山へは、船橋、大和田、臼井、佐倉、酒々井を通る成田街道がよく使われ、途中、野馬や遠くに筑波山が見える小金牧や、風光明媚な印旛沼などの名所もありました。さらに、利根川の水運を利用した香取、鹿島、息栖の東国三社参詣や、銚子の奇勝を楽しむ磯巡りも人気の周遊コースでした。そして、南総には古来信仰を集めてきた鹿野山神野寺、鋸山の日本寺、日蓮ゆかりの清澄寺や誕生寺といった霊場や、江戸湾越しに富士山を望む保田海岸、鏡ケ浦などの景勝地が点在しています。実際に房総を旅した歌川広重は、さまざまな名所を浮世絵にとどめており、人々の旅への憧れを刺激したことでしょう。

このたびの展覧会では、「成田山への旅」「東国三社参詣と磯巡りの旅」「南総の旅」に分け、旅のガイドとなった絵図や名所図会、現地での見聞を記した紀行文を参考に、風景版画によってその旅路をたどります。電車や自動車のない時代の房総へ、物見遊山の旅にお出かけください。
関連企画=
◎ 講演会
日時:6月20日[金] 午後1時20分〜2時50分
演題:「近世房総の旅」
講師:山本 光正氏(元国立歴史民俗博物館教授)
会場:図書館3階プレゼンテーションホール
*聴講無料/要予約

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
日時:4月12日[土]、19日[土] 午後1時30分〜
図版=
歌川広重《山海見立相撲安房清住山》横大判錦絵、安政5年(1858)、当館蔵
二代歌川国貞《成田山参詣小金原ヶ原図》部分、横大判錦絵三枚続、安政2年(1855)、当館蔵
ポスター制作=
メディア学部メディア情報学科4年 櫻井貴一