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HOME >ニュース > - 講演 -「新規下痢型IBS治療薬イリボー錠の創薬研究を通じて感じた医薬品開発」 平田拓也先生

現役創薬研究者が学生の研究マインドを掘り起こす!

-医薬品化学�T&研究支援委員会との合同企画講演-
「新規下痢型IBS治療薬イリボー錠の創薬研究を通じて感じた医薬品開発」
平田拓也先生 アステラス製薬株式会社 研究本部 開発薬理研究所


写真1
平田拓也先生 写真2
聞き入る学生達 写真3
研究支援委員会企画 コーヒーブレイク
"製薬企業の研究員ってどんなことを
考えてるの?"で質問する学生たち

日時:平成21年12月2日 13:20-14:50
場所:C2-105 視聴覚教室

2008年に上市された男性における下痢型過敏性腸症候群治療薬イリボー®(ラモセトロン塩酸塩)の開発研究に携わった平田拓也先生をお招きして、特別講演を開催しました。本講演は、医薬品化学�T(3年) の授業の一環として、また薬学6年制の講座配属の在り方を検討している本学研究支援委員会の協力のもとに行われ、約200の座席が埋まりました。

講演では、ラモセトロン塩酸塩の研究開発において、抗ガン剤投与時の嘔吐抑制薬としての開発と同時に、新規の作用機序を有する下痢型過敏性腸症候群治療薬としても開発することを目標に取り組まれ、新たな治療薬として世に送り出すまでの経緯を話していただきました。

講演の最後に、学生へのメッセージとして、創薬研究者は"病気で悩む人に新薬を届ける"ためには、その開発過程で医薬品に込めた思いを、医療現場で実際に患者さんと接している薬剤師さんに"上手くバトンリレー(医薬品の適正使用を推進)する"ことも重要であり、薬剤師さんの協力があって初めて多くの人の健康に貢献できると話してくださりました。

平田先生のご講演は、医療人を目指す学生に、臨床薬剤師の視点で医薬品を捉えるだけでなく、創薬研究者の視点でも医薬品に込められた思いを考察する機会をいただき、大きな共感を与えたようです。

聴講した学生たちの声
・研究者は、現場で働く薬剤師とは違い、患者とのふれあいが少ない。でも、新薬を世に送り出し、患者さんのコメントを聞くことにより人の役に立っているんだと実感できることを知った。
・よりいっそう研究開発分野への関心が強くなり、自分も将来、研究を通して患者さんのQOLの向上や医療の進歩に貢献できるようになりたいと思いました。
・成功する確率が限り無く低い、新薬の開発に何年も諦めず携わる事に対して尊敬の念を抱きました。「新薬を開発」する事がゴールではなく、新薬が世に出て、多くの苦しんでいる人が救われて、初めてゴールであると言えると思いました。

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