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講演会

特別講演
「薬害エイズ事件のあらましと恒久対策」
後藤智己先生-社会福祉法人 はばたき福祉 事業団-




後藤先生講演風景
後藤先生講演風景
質問に答える後藤先生
質問に答える後藤先生

期間:平成22年6月18日
場所:水田記念ホール
報告:ヒューマニズム教育小委員会

 後藤智己先生をお招きして、本学学生向けに「薬害エイズ事件のあらましと恒久対策」についての講演を開催しました。 後藤先生は、ご自身が薬害被害者であり、東京HIV訴訟に提訴されております。現在は、社会福祉法人はばたき福祉事業団に相談員として勤務し、被害者・一般からの相談への対応、被害者向けの広報の作成・編集を担当、 また、東京HIV訴訟原告団全国世話人(副代表)として、厚生労働省との交渉・原告団関連の事務などを行っております。

 講演では、血友病とその治療方法の遷移、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)混入のあらましを分かりやすくご説明いただき、被害に遭った人の苦悩や被害の悲惨さ、医療における利便性の追求のみでリスク管理を怠ったことが、いかに重大な事態を招いてしまい、その被害が現在にもいかに残っているかを話していただきました。

 その被害を防ぐために後藤先生をはじめとした被害者側が行ってきた活動の話を通して、患者を尊重し主体的に参加できる患者一人一人のための医療や、「隠さない、嘘をつかない」患者が安心し信頼できる医療の重要性を教えてくださいました。また、HIV被害者が薬を飲み続けなければならない中で、常に薬の副作用に対する不安を持っていることと、副作用の少ない薬の開発への期待を話してくださりました。

 最後に後藤先生は、今でもHIV被害と向き合えず社会から孤立した人達の背中を柔らかく押すことで被害者と社会との接点を拡げることに努めており、勇気を持って社会に踏み出そうとしている人がいることを忘れないでほしいと話してくださいました。

 後藤先生の講演を聞き、学生から医療の現状、医療へ求める思い、医療倫理等、様々な質問が出て、非常に活発で有意義な講演となりました。また、一年生からは医療倫理教育の一環として、後藤先生宛てに手紙が送られました。理想とする医療体制や、患者から求められる薬剤師像とその役割を改めて考え、認識する良い機会となりました。

 

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