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東日本大震災におけるボランティア活動
この度の東日本大震災復興支援の一環として、城西国際大学薬学部の教員が薬剤師として医薬品に関わるボランティア活動を実施しています。 これまでに3回にわたり支援活動を行い、地震直後に必要な医薬品を被災地の避難所に効率的に送るための活動や被災地へ送る後発医薬品の分類、 発送などの後方支援、避難所を訪問する直接的な支援を行ってきました。以下にこれまでの活動内容について報告します。
【第１期】避難所へ送付するOTC、消毒薬などの小分け（箱詰め）と輸送用の船への搬入
（横浜市金沢区水産庁倉庫）
平成23年3月19日（土）、20日（日）、参加教員1名
被災地へOTC、消毒薬などを送る際に箱詰めのままの状態で送ってしまうと、現地で分類、小分けする必要があるため、負担になります。 そのため、風邪薬、痛みどめ、胃薬、消毒薬、マスクなど避難所で必要と考えられる物品を小分けにして箱詰めを行いました。厚生労働省が手配をした物品の小分け、箱詰め、船への搬入のボランティアを行ってきました。
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| 医薬品輸送用の船 |
【第２期】
ジェネリック医薬品を被災地に送るための集配、被災地薬剤師会との打ち合わせ
（埼玉県越谷市、埼玉県立大学、宮城県薬剤師会）
平成23年3月23日（水）〜25日（金）、参加教員1名
日本ジェネリック医薬品協会加盟製薬メーカーが被災地へ医薬品を送る際に、個別に送っていては非効率です。 そのため、埼玉県立大学の実習室をお借りし、支援用のジェネリック医薬品の集配所としました。 そこに集まったジェネリック医薬品を分類、整理し、福島県、宮城県、岩手県の各薬剤師会と連絡をとり、必要な医薬品の配送を行う活動を行いました。
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【第３期】
いわき市における薬剤師ボランティア活動
平成23年4月9日（土）〜11日（月）、参加教員3名
千葉県薬剤師会を通して、被災地である福島県いわき市へ薬剤師ボランティアとして赴き、医薬品管理や調剤・処方支援等の活動を行ってきました。
（１）薬剤師による医薬品管理と供給
いわき市医師会館に集積されている医薬品、OTC等の在庫整理や数量管理を行いました。 集積所には、医療チームに所属する医師や看護師が足りない物の補充にやってくる場合もあり、 薬効ごとに分類しておくことで迅速な対応をすることができました。また、薬剤師だけで、 避難所である四倉高校に行き、衛生状態の確認や避難者よりお薬に関する相談を受けました。 震災が発生してからほぼ4週間が経過しており、「これまで飲んでいた薬が無くなりそうである」、「風邪をひいて熱がある」などの相談を受けました。 風邪や熱、頭痛等については避難所にある一般用医薬品（OTC）での対応を指導しました。また避難所にあるOTCについて、 避難所の管理者の方に使い方の説明や不足しているものの確認なども行いました。 他に特別養護老人ホーム入居者の避難場所を訪問し、点滴セットなどの搬入を行いました。
（２）医療チームの一員として避難所を巡回
私たちが滞在している期間には、山梨、愛知、富山、京都、福岡の5府県からの医療チームが避難所を巡回していました。1チームが1日に巡回するのは、７〜8箇所の避難所で、 避難者数は10〜200名と避難所ごとに規模が違いました。それぞれのチームに薬剤師が数名同行し、医師の診療後に必要なお薬をそろえ、患者さんへの服薬説明をしたり、代替薬の提案等を行いました。複数日の活動だったため、前日の処方薬や様子を考慮したうえで、医薬品選択の提案をすることができました。在庫が足りない場合は、剤形の違う薬を処方してもらうよう医師に提案し、患者さんへの説明を詳しく行いました。普段飲んでいる薬が多くアドヒアランスが良くない患者さんからお薬をお預かりして一包化をしたり、次の診察で患者さんが困らないように新たに処方されたお薬をお薬手帳に記載するなどの活動も行いました。
各県からの災害医療チームには、医師、看護師、事務員が派遣されておりましたが、多くの場合薬剤師が入っていません。薬剤師がいないと医師の診察のもと、看護師が薬を渡していましたが、 薬剤師が入ることによって看護師が本来の業務を行うことができるようになるだけでなく、医師が診察している際にもこれまで飲んでいたお薬の確認や代替可能なお薬の選択、OTC（一般用医薬品）お薬に関する相談を受けるなど、 震災の現場で薬剤師の果たす役割は非常に大きいものです。城西国際大学薬学部では今後も千葉県薬剤師会とタイアップしてボランティア活動を継続していく予定です。
【写真】
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| いわき市医師会館の様子 集積された医療用医薬品やOTC | ||
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避難所での活動 |
