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産学連携

「イオン・ハピコム人材総合研修」

















報告者:薬学教育委員会

 城西国際大学薬学部では、地域医療に積極的に貢献しようとする企業との連携を積極的に行っています。2月4・5日および14・15日の両日、薬学部の実習施設を使用してイオン・ハピコム人材総合研修機構の薬剤師研修を実施しました。
 イオン・ハピコム人材総合研修機構は薬剤師認定制度認証機構から認証を受けた薬剤師の卒後教育のプロバイダーとして地域に医療に貢献できるドラッグストア薬剤師の教育に力を注いでいます。
 今回の研修は「薬剤師3年目の総合研修」として実施されました。この研修には、本学の薬学部4年生も参加しました。学生達のレポートからその内容を紹介します。今後も薬学生が「活きた研修」に参加できる機会を提供してきます。

『イオン・ハピコムの薬剤師研修会に参加して』

 私は既に大学で、実際の患者を想定した模擬患者さんへの服薬指導を始め、一通り薬剤師業務の基礎を勉強しました。 しかしながら、OSCE服薬指導の細目評価にもなっている「患者の気持ちや不安について尋ねる」に対して、「この程度で良いのだろうか?普通に質問しただけでは患者さんから必要な情報を得ることはできないのではないか?」と感じていました。 なぜなら、私は、服薬指導はただ医薬品の説明をするだけでなく、患者さんが疾患や治療に対して、どの様に考えているのかという「解釈モデルの把握」を重要視していたからです。 そこで、現場の薬局薬剤師さんが、患者さんに対してどの様に服薬指導するのかを知りたいと思い、今回のイオン・ハピコムの薬剤師研修会に参加しました。

 研修会では、現場に出て3年目になる薬局薬剤師のグループに混じり、一緒の課題に取り組みました。与えられた課題のひとつに、「症例に書かれている処方内容や患者さんの主訴から、薬学的・医学的な問題点を見つけ、最適な服薬指導を提案する」という課題がありました。私の班の薬剤師さん達は、患者さんの主訴を細かく見て、その中から「処方内容の変更や中止、副作用の回避、どの様な性格の患者さんか、医療従事者に対してどの様に思っているか」など多くの問題点を抽出して、その改善策を具体的に提案していました。その中の「副作用の回避」に関しては、医薬品だけに注目するのではなく、薬局やドラックストアで販売されている日用品や一般用医薬品を用いて、副作用を軽減したり、回避することはできないかといった、現場ならではのアイデアを提案されていました。
 また、服薬指導のロールプレイングでは、同じ班の薬剤師さんたちが見ている前で今回の症例の患者さんを想定した服薬指導を行い、患者さんへのアプローチの仕方を手取り足取り教えていただきました。ストレートに「何か不安なことはありますか?」と質問しても、漠然としすぎて患者さん側も答えにくい上に、ある程度信頼関係がなければ、答える人はいません。患者さんとのちょっとした会話の中から、聴きたいこととは違う話であっても、患者さんのペースに合わせながら抱える不安や問題の核心に迫っていく方法が良いことを学びました。

 今回のイオン・ハピコムの研修会は、現場の薬剤師さんとお話したり、議論したり、その他にも刺激的なことが沢山あり、大変充実していて面白いものでした。5月から病院・薬局実務実習が始まりますが、今回得た知識や経験を活かして頑張っていきたいと思います。また、今回の様に、これからも色々な活動に、積極的にチャレンジしていきたいと強く思いました。 (4年生 三浦裕馬)


『EBMを用いた服薬指導』

 実務実習の直前ということもあり、現場の薬剤師の姿を見てみたいと思い、研修会に参加させていただきました。今回の研修会は論文によるEBMの使い方についてでした。

 論文の検索方法、そのEvidenceの強さの判別の仕方、論文自体の読み進め方など様々なことを学習できたと思います。例えば、患者さん自身がサプリメントの使用を不安に思い、病院ないし薬局で薬剤師に質問をするという場面は少なからずあるはずです。そのような時に自分の曖昧な経験則で答えるのではなく、しっかりとした科学的根拠を以って患者さんに意見をするという手段を持つことが出来ればそれは信頼される薬剤師になるための第一歩になると思います。

 今回の二日間に渡る研修では自分にとって将来あるべき薬剤師像の一つの手掛かりとして、とても大きな経験になったと思います。

(4年生 加藤 祐)



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