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「世界初の機能性ディスペプシア治療薬『アコファイド錠』の開発(大学院連携特別講演)」を開催しました。

 

写真1
佐藤健治先生の講演
写真2
佐藤健治先生の講演
写真3
学生からの質問

実施日:2013年12月12日
場所: B104 教室
報告者:高橋たみ子、田嶋 公人

 2013年6月、世界で初めて上市された機能性ディスペプシア(ストレス性胃腸機能障害の1つ)治療薬であるアコチアミド塩酸塩 (商品名:アコファイド錠100 mg) を有機合成の開発段階から携わってこられた佐藤健治先生(ゼリア新薬工業株式会社 研究開発企画部)をお招きして特別講演を開催しました。本講演は医薬品化学�T(薬学3年) の授業の一環として、また、先生が本学の大学院薬学研究科に社会人ドクターとして在籍されていることから、現役の製薬メーカー研究開発者が学部生に製薬会社での研究の苦労や醍醐味を伝える機会として実現することができました。

講演では、アコチアミドが、H2ブロッカーニザチジンの構造をヒントにヒスタミンH2受容体の作用をなくし、末梢コリンエステラーゼ作用を引き出すためにおよそ数千個の化合物を合成・スクリーニングを経て誕生したことや、適応症である機能性ディスペプシアも研究開始当初は慢性胃炎と呼ばれていたが、時代と共にその疾患の概念が変わり国内外の消化器学会が示す治療ガイドラインを注視しながら開発戦略を立てられたこと、合成段階でのセレンディピティ(予期せぬ発見)、臨床第III相試験の結果プラセボ群と有意差が出た時の「やった」という喜びなどをお話していただきました。

佐藤先生のご講演は、学生に同じクスリに関わる人間として臨床薬剤師の視点で医薬品をみるだけでなく、それらは創薬研究者が日夜苦労を重ねて育て上げたものであることを気づかせ、深い感銘を与えました。



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