コラム COLUMN

第21回 雑草ですけど、なにか・・・

またまた番外編です。最近感動したことがありました。『万葉集』とは全く関係ないのですが・・・。
先々のことを考え、住まいを移した1年ほど前から、勤務先までの10分位の道のりを徒歩通勤しています。自宅を出て、直ぐのバイパスを横切ると両側は田んぼで、4mのアスファルトの公道は本当につまらない道なのです。それでも春先は、「そろそろ田植えだな」とか、「あっ、田植え終わったんだ~」とか、「ここはまだかぁ、晩稲(おくて)かなぁ」などと独り言を言いながらトボトボと歩いているわけです。 でも楽しみを見つけました。田んぼの畦道に咲いている小花たちです。目を凝らして見ると直径1、2cmにも満たないような何とも言えないような可愛らしい花々なのです。朝露をおびたツユクサやシロツメグサ、茎の長いセイヨウタンポポ、ピンク色のユウゲショウなど、他は生物学的には名前があるのでしょうが、あとは雑草とひとくくりになってしまいます。辺りを見渡すと、早稲も晩稲も区別がつかないほどすっかり背が伸びてきて、稲穂がつきはじめました。
この辺は8月の末ごろから稲刈りが始まり、連日JAの倉庫にトラックが列を作り、新米が納められていきます。そして、 収穫が終わった田んぼにはどこからともなくシラサギが飛んできて、袋から落ちた籾をついばんでいます。
最近、除草剤が蒔かれたらしく雑草たちは茶色に枯れてしまいました。農家の人々にとっては、ただじゃまな雑草だから仕方ないのかもしれません。でも、たくましいと言うか、しぶといと言うか、枯草をかき分けるように雑草たちがまた花を咲かせています。(ま)

追記:このページに訪問してくださったKさんから「ソバの花では!」とご指摘を受けました(左写真の下から2番目の白い花)。インターネットで調べてみるとまさにそのとおりですね。
ソバの種は平らな地面に(畝をつくらずに)、一掴みずつばら蒔いていくイメージがあったので、田んぼの脇に数本あるなんて思いもしませんでした。それにしても、どこからきたのかしら・・・。

また、追記:近くにソバの畑を見つけました。ちゃんと畝を作って育てているんですね。いったいこの畑から何人前のソバが収穫できるのでしょうね。見当もつきません。