Q: 城西国際大学メディア学部は、美大・芸大・工学部の映像系・デザイン系の学科との違いは
映画大学、映像学部、デザイン学部、放送学科、映画学科、写真学科など、メディア関連の学部や学科がたくさんあります。本学のメディア学部は、映画、テレビ、写真、デザインなどのメディアの表現形式を単独に孤立的に学ぶのではなく、身体表現とメディア表現を総合的に学ぶことができます。
身体表現については、ダンス、声優、アクティング、アナウンス、ボーカル、ステージを総合的に複合的に学ぶことができます。もちろん、ある分野を特化して学ぶこともできます。
メディア表現については、写真、映画、テレビ、CG・アニメーション、ドキュメンタリー、広告、デザイン、サウンド、WEB、出版などを総合的に学ぶことができます。もちろん、ある分野を特化して学ぶこともできます。
表現とメディアに関するスキルだけを限定して学ぶことは不十分です。4年制大学のメディア学部では、マーケティング、企画、戦略、コンテンツビジネスの展開を含めて総合的に学ぶができます。より広い視野で、より長期的な見通しの中で、より幅広い領域を対象に自分の将来の進路を選ぶことができます。
東京紀尾井町キャンパスの「映像芸術コース」は、8つの分野(キャリアパス)「演出制作、映像技術、映像美術、アニメーション・CG、芸能、ステージ、音楽・サウンド、コンテンツ・ビジネス」があります。これらを自由に組み合わせて学ぶことができます。ある専攻を「主専攻(Major)」として選び、他の専攻を「副専攻(Minor)」として、複合的に学ぶことができます。
今後の激変する社会と経済に対応するためには、特定分野の「狭い専門性」だけでは不十分です。社会の変化に柔軟に対応できるよう、「幅広い専門性」、「俯瞰的視野」「総合な表現能力とメディア展開能力」をメディア学部で身につけた方が望ましいと考えます。
デジタル技術の進展によって、メディア間の浸透・融合が進んでいます。異分野のメディア表現を リミックス(remix)したクリエイティブ表現を創る能力が求められます。メディア学部は、映画を「映像原論」として位置づけ、「映画から学ぶ」ことによって、映像制作に関する原理や仕組みを根本から学ぶことができます。今後の映像表現は、映画だけではなく、iPhone、iPadなどのモバイル端末やデジタルサイネージなどの映像、プロモーションビデオ、CM、ビデオアートなどの新しい映像表現が求められます。メディア学部では、「映画を専門的に学ぶ」こともできます。「映画から出発して」デジタルサイネージやCM、ビデオアートまでに発展的に学ぶこともできます。
芸能などの身体表現(リアル表現) × 映像やデザインなどのデジタル表現(バーチャル表現)
「スクリーン」の中で演じる × 「舞台」で演じる × 「商品やサービスの場」で演じて価値や感動を伝える
映画の「美術・照明・音響」 × 舞台の「美術・照明・音響」 × イベントの「美術・照明・音響」のように、「美術・照明・音響」に関する広い展開力を身につけることができます。
フィクション「ドラマ・空想の世界・物語」 × ノンフィクション「ドキュメンタリー・現実・歴史・取材」
撮影現場(アナログ的能力)+ 編集・仕上げ(アート+デジタル技術力)
美術(アート)×「デザイン、アニメーション、映像美術、舞台美術」
以上のように、メディア学部がもつ総合性、学際性、俯瞰的な視野、幅広い専門性と展開能力は、美大・芸大・工学系にはない特色です。10年前までは、このような広い分野を同時に学ぶことは不可能でした。しかし、現在では、デジタル技術が普及し、舞台、スタジオ、様々な先端的な技術や機器をそろえることができるようになりました。私たちは、日活映画100年の歴史を踏まえつつ、より幅広い表現の可能性、新しいメディアの可能性を学生の皆さんと一緒に模索していきたいと思います。
Q: アクティング、声優、ダンス、アニメなど、専門学校のような内容のようにみえますが
いままで大学教育の中で、アクティング、声優、ダンス、アニメを取り上げているところが少ないために、専門学校的のみえるかもしれませえん。
平成24年度から、中学校の新学習指導要領が本格実施され、1、2年生の体育で、「武道とダンス」が必修化されています。ダンスを通して、身体を生かした「表現の楽しさや喜びを味わい」、「互いの違いやよさを認め合い」ながら、「自己の責任」も果たす「チームワーク」を育てることができます。「ダンスを学ぶ」目的は、単にダンサーになるためではありません。「ダンスを通じて学ぶ」ことによって、身体表現能力、チームワーク、自己責任能力を育てることができます。
ダンスは、国や地域によって多様な形式があります。グローバル化した世界の中で、異文化理解・異文化コミュニケーションを図るうえでも、ダンスは非常に有効です。
このようにダンスを学ぶのは、単にダンサー志望の学生に対する職業トレーニングではなく、人格形成のうえで大きな効果を期待することができます。
芸能分野を学ぶ学生の進路は、単に芸能事務所ではなく、スターバックスコーヒー、ディズニーランド、劇場、イベントなどの職場、広告・広報・プロモーション・ブランディングなどの職種において、感動・価値・ブランドを消費者に「リアル」に伝える、あらゆる場で活躍することができます。「商品やブランドの価値をどう伝えるのか」「記憶される感動的なサービスをどのように提供すべきか」は、あらゆる仕事で求められます。このような普遍的な能力、俗に言うと「つぶしが効く」能力こそ、大学教育の価値です。単なる一時的な特定分野の職業訓練ではありません。
Q: 実技が多く、専門学校とどのように違うのですか。
メディア学部は、「講義 × 実習・実技 × ラボ × プロジェクト × 演習」のように多彩な授業形態があります。
「講義」では、体系的な知識と理解を学ぶ。
「実習」では、専門的なスキルを使いこなすことを学ぶ。
「実技」では、身体的な表現能力を磨く。
「ラボ」では、作品やコンテンツをじっくりと創ることを学ぶ。
「プロジェクト」では、産学連携・地域連携による具体的なテーマや課題に対するアプローチ
「演習」では、自分で課題やテーマを見つけて、創作・表現したり、論文をまとめたりします。
これらの授業形態を一連の流れの中で組み合わせています。実習や実技だけを重視している訳ではありません。いままでの大学教育が、実習や実技をあまりにも軽視しすぎている面があります。
むしろ、このような多彩な授業があるのは、新しい大学のあり方です。私たちは、新しい授業の形式を模索しながら、大学教育の新しい可能性を探求していきたいと思います。
学生の皆さんは、「講義 × 実習・実技 × ラボ × プロジェクト × 演習」の配分を自分の適性に応じて、自分で選択することができます。なるべくバランスがとれるように学ぶように薦めていますが、得手と不得手もありますので、「講義を中心的に」でも結構ですし、「実技を中心に」でも結構です。
Q: 調布市の日活撮影所にどれくらいの頻度に行かないといけないですか
映像芸術コースの教育は、ほとんど東京千代田区の紀尾井町キャンパスで完結します。しかし、特に映像制作志望の学生は、日活撮影所の「映画実習」「制作演習」を選択することができます。
東京千代田区の紀尾井町キャンパス3号棟には、映像撮影用のスタジオがあります。屋外のロケで撮影することも多いですから、必ずしも調布市の日活撮影所で映像制作する必要がありません。しかし、「映画を創る工場」としての撮影所で映像を制作する経験は、大きな付加価値となります。
Q: 実習費を徴収するそうですが、どれくらいの金額ですか
実習費は、あくまで具体的に作品を創る際に、作品の内容に応じて発生する材料費、セット制作費、衣装代などの消耗品的な費用です。実習費の会計は、公表されます。撮影所のレンタル費、映像・照明などの機器は、大学が用意し負担します。
デッサンの授業は、教科書代に相当する2000円または3000円程度です。
2年生の日活撮影所の「映画実習」の実習費は1万円です。
3年次、4年次の映画実習の実習費は、作品によって、いつかの選択肢があります。安い実習費で、短編やCMを制作したい学生もいます。
少々高い実習費を払っても、結果的に大学の設備を無料で使いますので、業界的には格安です。それで自分のデビュー作の長編を創りたい学生もいます。
それぞれの学生のニーズに合わせて、いくつかの選択肢があります。強制的ではなく、選択ができるのです。
Q: 海外留学できますか
1年の長期留学であっても、留年することなく4年で学業を完成することができます。
海外の姉妹大学との交換留学生として、先方の学費を免除して留学することもできます。しかし、滞在費、生活費は自己負担です。米国、中国、台湾、韓国、フィンランドなどの選択があります。
語学留学は、先方の大学に授業料を支払う必要があります。米国、カナダ、中国、韓国、ハンガリーなどの留学先があります。
Q: 就職状況は、どうですか
メディア学部の教育目標や教育方法は、これからの時代を見据えたものです。多くの企業からその先進性が高く評価されています。多くの産学連携プロジェクトが進行しています。
多くの卒業生は、著名なITベンチャーに就職しています。いままでのビジネスの枠組みだけではなく、新しい職域を切り拓いています。
長い職業人生の中で、幾度もの波乱があります。その波乱を乗り越えたところで初めて評価が定まると思います。大企業も突然死する時代です。しかも大企業ほど競争が激しく、リストラの可能性も高くなります。就職率だけで、職業人生そのものを評価することが難しいです。「ブランドで約束された人生」ではなく、「自らで切り開く人生」の方が重要です。
しかし、比喩的に言えるのは、「頑張る人の就職率100%です。さぼるでしたら0%です」。もちろん、学部としては、生涯にわたる雇用可能性(employability)の養成を最優先課題として取り組みます。

Q&Aの最終更新日 : 2016-10-06